カバンのことで、こんな疑問を感じたことはないでしょうか?
このカバンてなんて形状なんだっけ?
ショルダーバッグでいいの?
ヒップバッグ?ウエストバッグとどう違うの?
じつはカバンを仕事にしている方々でも人によっては呼び方が違う時が結構あります!
このページでは 現役バッグデザイナーであるぽんずが【独断と偏見でカバンの呼び方を伝わりやすく簡潔に紹介】していきます。
カバンほどファッションアイテムの中で形状や大きさが違うものはありません。
ちなみに社団法人日本鞄協会が1967年に決定したカバンの正式名称数はなんと「76種類」!!
別名を含めると「109種類」にもなるようです!ありすぎだろ!
ただこの中には使われずに消えてしまった鞄や、逆に新しく誕生した鞄もあります。
基本編その2でも、現代で認知度の高い代表的な3アイテムを紹介します。
ショルダーバッグ
ショルダーバッグとは肩(ショルダー)に掛けて持つカバンの総称です。
その範囲は広く、ショルダーバッグの中でもさらに分類すると以下のアイテムが挙げられます。
- 角形ショルダーバッグ
- 被せショルダーバッグ
- 舟形(三日月)ショルダーバッグ
- メッセンジャーバッグ
- カメラバッグ
- フィッシングバッグ
代表的なものはこんな感じになります。
では次に個別に各ショルダーバッグの説明をしていきましょう。
角形ショルダー
四角いフォルムに太いショルダーテープが付いたシンプルなカバンです。
縦型・横型があり、サイズは用途によって様々です。
少し前は学生の部活用カバンの定番でもありました。(近年はバックパックにその座を取られてしまいましたが)
今でもサイズや用途によってはよく見られる代表的なカバンのひとつです。
被せショルダー(フラップショルダー)
引用元 : Pintalest
正面に大きな被せが付いているカバンです。
大人が持つカバンのイメージが強かったですね。
今ではメッセンジャーバッグとの違いも曖昧になってきていますが、形がシンプルで自転車に関する機能が全く無いものをこう呼ぶことが多いです。
舟形(三日月)ショルダー
その形状が船の形をしていることから舟形ショルダーと(私がいた業界では)言われていました。
三日月ショルダーと呼ばれることも多いですね。
ただ日本独特の呼び名で、海外では普通にショルダーだったりスリングバッグと呼ばれています。
日本独特どころかごく限られた業界のみの呼び名かも知れませんが!笑
メッセンジャーバッグ
引用元 : CHROME
もともとはイギリスやアメリカの郵便配達員、メッセンジャーたちが使用していた斜め掛けできる被せショルダーバッグがルーツになっています。
日本では自転車ブームで注目され、その後ひとつカテゴリーとして定着していきました。
このカバンの最大の特徴は正面の大きな被せ(フラップ)。
雨や風にさらされても耐えられる丈夫な素材と大きなフラップが中の荷物をカバーする役割を担っています。
カメラバッグ
引用元 : GANREF
カメラ及びその付属品を収納して持ち運ぶためのカバンです。
内側にはパッド入りの仕切りが設けられ、機器や備品がぶつかり合わないような工夫がされています。
簡易的なものからプロ御用達のハイスペックなものもあり、近年では様々な形状のアイテムも登場しています。
ちなみにあまり一般的では無いですが「ギャゼットバッグ」と呼ぶこともあります。
ギャゼットバッグとはカメラレンズなどの小道具を入れて肩から下げるバッグのことで、今でいうガジェットケースみたいな感じでしょうか。
フィッシングバッグ(フィッシャーマンバッグ)
イギリスで生まれ、紳士のスポーツとされている渓流釣り用のショルダーバッグです。
このカバンの特徴は素材とデザインにあります。
素材はゴム引きされた防水コットンキャンバスを使用。これは水辺で使用するためには必須の条件です。
ルアーやフライ、その他フィッシングに関わる細かな道具を収納する正面のマチ付きポケットやネットポケットも大切な機能です。
この優れたデザインは野外用カントリーバッグに多大な影響を与え、今では様々な素材で展開されているカジュアルバッグの定番デザインのひとつになっています。
ワンショルダーバッグ/スリングバッグ
引用元 : Aer
引用元 : BACK IN THE DAYZ
ワンショルダーバッグとは読んで字のごとく「1つの肩」で持つカバンのことで、ストラップが1本で斜め掛して持つバッグのことをいいます。
「それってショルダーバッグ」と一緒じゃんか」という感じですが、それ以外に、ショルダーバッグには無い特徴が2つあります。
①体に密着させて持つことを前提としている
②背中に収まるよう、縦型の形状が基本
スリングバッグもワンショルダーも同じ形状を指します。呼び名が違うだけ。
海外ではスリングバッグと前から呼んでいたのですが、それが近年日本でも定着してたということですね。
ボディバッグ
引用元 : paulsmith
引用元 : master piece
ストラップをたすき掛けして持つバッグを「ボディバッグ」といいます。
基本的に小ぶりで、ショルダーバッグよりも収納は少なくコンパクトです。
ちなみに「ボディバッグ」の名前の由来は「身体に密着&固定して持つ」ことから来ています。
※日本のメーカーやカバン問屋などはボディバッグと呼びますし、海外のブランドはボディバッグとは呼ばず「スリングバッグ」と呼びます。
この形状の最大のメリットは「必要最低限の荷物を両手が自由な状態で持ち運べる」という点でしょう!
2023年の段階ではやや「オジサンのバッグ」という印象が先行していますが、使いやすさはトップレベルのバッグですので、休日のちょっとした外出などで大活躍してくれることは間違い無しでしょう。
トレンドの移り変わりは激しいので、数年後にはまたボディバッグが若者の支持を得られるかも知れませんが!
ウエストバッグ/ウエストポーチ
引用元 : THE NORTH FACE
バックル付きのテープをベルトの様に腰に巻き付けて使用する小型のカバン。
ポーチにウエストテープを合体させたカバンのため「ウエストポーチ」とも呼ばれます。
80年代中頃から爆発的にヒットし90年代まで人気が続きました。
ボディバッグの登場で昔ほどの市場シェアではなくなりましたが、ボディバッグの需要がややアダルト化したことで若年層の支持を得て復調してきた感があります。
本来の使い方は腰に巻き付けて使うのですが、若年層を中心にたすき掛けして持たれるようになってきましたね。
サイズは基本的に小さいものが多く、ボディバッグ同様「必要最低限の荷物を両手が自由な状態で持ち運べる」点がこの形状の利点になるでしょう。
ヒップバッグ
ヒップバッグとはバックル付きのテープをベルトの様に腰に巻き付けて使用するカバンを指します。
「ん、それってウエストバッグと同じでは??」とお思いでしょうが、大きな違いがあります!
ウエストバッグは「腰」、ヒップバッグは「お尻」
つまりお尻にかかるor隠れるくらいの大きさのバッグを「ヒップバッグ」と呼ぶのです。
ヒップバッグの最大の特徴、それはサイズとスペックにあります。
一般的なウエストバッグが1〜5L程度なのに対し、ヒップバッグの代表格である「マウンテンスミス」のヒップバッグの容量はなんと9〜11L!!
それだけ容量があるということは当然「表面積も多くなる」のでウエストバッグよりも色々な機能を付けることが可能になり、結果ウエストバッグとの大きな差別点になっています。
まとめ
今回ご紹介した内容は以下の通りです。
- ショルダーバッグの種類と名称
- ワンショルダー(スリングバッグ)とボディバッグの違い
- ウエストバッグとヒップバッグの違い
カバンの形状は時代の変化や流行と共に変化します。
今回紹介したカバンはメジャーなアイテムを取り上げたつもりですが、10年後には存在感が薄くなっているものもあるかも知れません。
代わりに新しい形状が出てくるかも知れない楽しみと、去りゆく形状への寂しさを予感して今回の記事を書いていました。
ヒップバッグなんか今ではあまり見かけませんからね!
あと学生中心に売られていたエナメルショルダーも本当に減ったなーと感じています!
その他形状の紹介記事や、バッグデザイナーに関する生地なんかも書いてますのでよかったら見てみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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